訃報を受けて、結城が現地に飛んだ。僕としてはまだ気持ちの整理がつかないのに、皇太子に即位するための準備に追われて、とても不安だ。なのに結城がいない …殿下もいらっしゃらない。
「沢渡さん、大丈夫ですか?顔色がよくありませんよ」 Continue reading “1/11 (水) 14:00 手紙”
小説の部屋
訃報を受けて、結城が現地に飛んだ。僕としてはまだ気持ちの整理がつかないのに、皇太子に即位するための準備に追われて、とても不安だ。なのに結城がいない …殿下もいらっしゃらない。
「沢渡さん、大丈夫ですか?顔色がよくありませんよ」 Continue reading “1/11 (水) 14:00 手紙”
学校ではそろそろ新入生歓迎会の企画をそろえなくてはいけなくて、会長の権限で今年も演劇部の公演、そして朝霧にバイオリンを弾いてもらおうかなと思っているのだけど…。
「沢渡くん」
誰かが呼んでる、今は授業中だろ…。 Continue reading “1/10 (火) 14:00 突然のニュース”
今日から新学期。冬休みは深雪と過ごす時間を時々作りながらも、議会のための準備を集中的に進めることができた。両殿下は明後日帰国される。楽しそうな写真が一度だけ送られてきたけれど、お二人の時間を楽しまれているのか、それ以外は全く音沙汰がない。…僕のことを信頼して任せてくださったのだと思うと嬉しいし、その間の成長を見ていただくのが楽しみで、仕事にも熱が入った。 Continue reading “1/9 (月) 22:00 前夜”
“Taka、Mai、改めて結婚おめでとう!”
おいしいワインを持って来てくれたヘンケルを、舞と僕は手料理で迎えてあげた。
“ありがとう”
“随分、素直だね。何かあった?” Continue reading “1/8 (日) 15:00 未来は誰の手にある?”
大胆な貴くんに翻弄されっぱなしの私は、面と向かって話をしているだけで何となく気恥ずかしくなってくる。
「舞がそんなにシャイだなんて知らなかったよ」
そうやって私の頬に手を添えてくる様子も、本当の王子様みたいで…、というか、本当にこの国を継ぐ予定の皇太子殿下なわけだけど、今更ながら素敵すぎて戸惑ってしまうというか。 Continue reading “1/7 (土) 12:00 悪い予感”
ミュージカルを見に行って、そのあと飲みながら、感想を語り合った。そして今もその旋律が耳に残っていて、思わず口ずさんでしまう。
「ねえ、私のために歌ってくれる?」
貴くんって頼もしいな。本当は彼のほうが格段に優れているので、私には学ぶべきところだらけなのに、今までもったいないことをしてたね。今まで一人でしゃべりすぎてたよね。
「今日は何する?」 Continue reading “1/5 (木) 15:00 サプライズ”
舞も絶対、分かっていてやっているに違いない。
ここ数日、あまりにも素を出し過ぎていることに自分でも驚いているが、本当は僕だってありのままの姿でいたいんだ。それに何よりも、これは新婚旅行、僕たちだけの時間なんだ。だから舞には、本当の自分を見せてもいいと思う。…これが最後になるかもしれないし。 Continue reading “1/4 (水) 14:00 美術館見学”
さすがの貴くんも、随分とのんびりしているみたい。今まで相当忙しかったから、貴くんにものんびりする権利はあるし、それ以上にのんびりしたいと思うほど疲れていたみたい。こうやって隣で微笑んでくれているのを見ると、新婚旅行先の選択は正解だったのだと思う。
「今日は何する?」 Continue reading “1/3 (火) 9:00 自然”
これまで十二分に頑張ってきたから、新婚旅行は、ただただのんびりしたい。よって、あちこち動き回るのではなく、10日間、一箇所に腰を落ち着けて、気が向いたら出かける感じにした。 Continue reading “1/2 (月) 14:00 新婚滞在”