カテゴリー: 学園の貴公子第2章

相変わらずウチの母はミーハーだと言うか、勘違いしていると言うか、息子を息子だと思っていないと言うか・・・。

せめてもの親孝行にと、僕は今夜、家族で夕食を取るためにレストランを予約したのだが、案の定朝からそれは凄い張り切りようで。 Continue reading “4/27 (木) 13:00 母”

昼間、仕事の合間に兄の事務所に初めてお邪魔した。それどころか実際に仕事をしているところを見るのは初めてだった。時間が限られていたせいで簡単な挨拶のあと、今建築中であるお宅を見に連れて行ってくれた。 Continue reading “4/26 (水) 23:00 たった一人の兄”

噂によると、小雨により一時中断したとかで、三年の運動能力測定が長引いているらしい。

「深雪行こうよ！」

「うん！！」 Continue reading “4/25 (火) 15:30 ラストスパート”

昼休みに合格者が発表され、放課後初めての部活に参加した。

まずは部長から簡単に挨拶があって、自己紹介、そして沢渡先輩から今後の活動について話があった。 Continue reading “4/24 (月) 18:00 初顔合わせ”

結城と夕食の約束をしていたのだけど、仕事が押したということでキャンセルになったため、夜改めて部屋に向かうことにした。ちょっと相談・・・というか話しておきたいことがあって。

「夕食、悪かったな。もう少しだったから片付けてしまいたくて」 Continue reading “4/23 (日) 21:30 進路調査書その２”

僕はほとんど毎日、風呂上りにピアノを弾いている。一日のことを振り返って、これからのことを考える、僕にとってはなくてはならないリラックスタイムなのだ。

グラスにりんごジュースを注ぎ、髪をタオルで拭きながら、ピアノに移動。 Continue reading “4/22 (土) 2:00 障害”

そもそも、たかだか部活に入るのにオーディションがあるなんて珍しい話だけど、実はかなり歴史があるそうだ。とはいえ、少なくとも僕の代までは意欲調査くらいの意味しか持っていなかった。よっぽどのことがない限り、不合格なんてことはなかったと聞いている。

それが昨年からは異常なくらいの希望者が来るものだから、文字通りオーディションになってしまっている。ほとんどは興味本位だし、時間の無駄だと思わなくもないけれど、演劇部の本気度を知ってもらうためには、僕もしっかり参加する必要がある。 Continue reading “4/21 (金) 17:00 油断ならない男、出現”

もう、すっかり意志は固まっていて、迷わず書いた。

第一志望・・・王宮。第二、第三志望は空欄にしておいた。

そして結城さんに、疑問や不安をお伝えした。 Continue reading “4/ 20 (木) 14:00 進路調査書”

来月から出演するドラマの打ち合わせに来ていて、ある噂を耳にした。「今日は殿下がお見えになるんですって！」

辺りの、特に女性がそわそわしている。いや、俺だってそうだよ。会えるかどうか分からないけど、会ったら、「殿下」って呼ばなきゃいけないんだよな。それに敬語もうまく使えるかどうか・・・。会いたいけど会いたくないような気もして、かなり複雑な心境・・・。 Continue reading “4/19 (水) 21:00 テレビ局の廊下で”

大学生活がスタートした。・・・と言っても、実際に講義が始まったのは昨日だから、まだ何とも言えない。

でも一つだけ大きく違っていることがある。いつも隣にいた祐輔がいない。 Continue reading “4/18 (火) 17:00 君がいない”