何なんだ、あの沢渡という男は。
優秀な成績の持ち主で、高校生にしてすでに財務長官。加えて俗人離れた外見を持ち、運動神経も抜群、演劇部でも活躍、そしてピアノを弾く・・・僕に勝てそうな項目は一つもない。あ、恋人もいる。・・・ますます勝てない。 Continue reading “11/21 (月) 16:30 決意”
小説の部屋
何なんだ、あの沢渡という男は。
優秀な成績の持ち主で、高校生にしてすでに財務長官。加えて俗人離れた外見を持ち、運動神経も抜群、演劇部でも活躍、そしてピアノを弾く・・・僕に勝てそうな項目は一つもない。あ、恋人もいる。・・・ますます勝てない。 Continue reading “11/21 (月) 16:30 決意”
話したいことがあると言ったのはイストとクリウスの問題についてのことで、結城に何があったのかについては結局何も分からずじまいだった。ただ、今日は朝からすっかりご機嫌なので、それはそれでいいのだけど、やっぱり気になってしまうので、昼食のときに殿下に伺うことにした。 Continue reading “11/20 (日) 21:00 とまどい”
宮殿では入宮試験があり、たまたま受験会場近くの通路を通ったときにちょうど休憩時間だったらしく、近くにいた受験者たちが一斉に立ち上がって礼をしてくれたのはなかなか壮観だった。
「今年の受験者はかなり増えた。中でも高卒予定者が多いのは、お前の影響だな」 Continue reading “11/19 (土) 22:00 なぐさめ”
いつもは演じる側だけど、今日は部長の村野さんの隣で見る側だ。
「何も言わないから、とりあえず見て」
深雪と朝霧から何となく話は聞いていて、台本も読んでいるのだけど、どういう風に仕上がっているのかは見てみないと分からない。朝霧がコミカルな役、というのはどうだろうか? Continue reading “11/18 (金) 17:30 気づけること”
放課後、制服のままイストにお邪魔しに行った。一般の学生には内緒のため、早川と副会長にこっそり手引きしてもらい生徒会室に入ったが・・・あれ?他の役員も大勢いるのかと思いきや、誰もいなかった。僕のほうは、Web担当者を連れてきたので2対2。・・・ちなみに彼はイスト出身者である。 Continue reading “11/17 (木) 17:00 生徒会長対面”
イストを訪問するのが明日に決まったところで思い出した。先日、高校生論文コンテストの審査員を頼まれて最終候補作品を読んだときに、確かその名前があった、早川一真。
彼は入宮を希望していて、この国を変えたいという野望を抱いていた。しかし、締め切り後、僕が財務長官に就任した。自分と同い年なのにすでに国政に携わっている人間がいると知ったときには、面白くないと思ったに違いない。それが遠足のときの態度に繋がったのではないだろうか。 Continue reading “11/16 (水) 21:30 イストvsクリウス”
一難去ってまた一難。
マスコミ各社に対しては、厳しい目を光らせているつもりだ。僕に関する報道でプライベートにまで踏み込んでいるものや、根拠がないものや、侮辱されたと感じるようなものには抗議をするようにしている。しかしどうにもならないのが、インターネットだ。 Continue reading “11/15 (火) 15:30 ライバル校からの攻撃”
今日くらいはお宅にお邪魔してもいいだろうと思って、仕事帰りに深雪の家に寄った。Pink Ribbon Dayは、男性が女性に贈り物をする日。イベントに恋人らしいことを僕のほうからするのは初めてだ。 Continue reading “11/14 (月) 21:30 Pink Ribbon Day”
今日は事務所で打ち合わせ。芸能人としての第一歩を踏み出せたことが嬉しい。
「兼古大臣の秘書の方から連絡をいただいたから、大臣のことは何も心配することはないよ。君はドラマに向けて役作りすることだけを考えてくれればいい・・・でもその前に受験なんだよね。ドラマの撮影はちょうど3月の半ばからだから、それまでには合格してね」 Continue reading “11/13 (日) 14:30 打ち合わせ”
オーディションは、グランプリこそ取れなかったが、特別賞をもらってドラマに出演することが決まった。
今は、美智が受験した大学近くのカフェで、あちこちに連絡をしながら帰りを待っている。今日ばかりは参考書など目に入らない。周りには俺と同じくして試験が終わるのを待っている人たちがたくさんいるが、その人たちが一様に心配そうな顔をしているのとは対照的に、俺の気持ちは晴れやかだ。 Continue reading “11/12 (土) 13:30 一変”