11/13 (日) 14:30 打ち合わせ

今日は事務所で打ち合わせ。芸能人としての第一歩を踏み出せたことが嬉しい。

「兼古大臣の秘書の方から連絡をいただいたから、大臣のことは何も心配することはないよ。君はドラマに向けて役作りすることだけを考えてくれればいい・・・でもその前に受験なんだよね。ドラマの撮影はちょうど3月の半ばからだから、それまでには合格してね」 Continue reading “11/13 (日) 14:30 打ち合わせ”

11/12 (土) 13:30 一変

オーディションは、グランプリこそ取れなかったが、特別賞をもらってドラマに出演することが決まった。

今は、美智が受験した大学近くのカフェで、あちこちに連絡をしながら帰りを待っている。今日ばかりは参考書など目に入らない。周りには俺と同じくして試験が終わるのを待っている人たちがたくさんいるが、その人たちが一様に心配そうな顔をしているのとは対照的に、俺の気持ちは晴れやかだ。 Continue reading “11/12 (土) 13:30 一変”

11/10 (木) 20:00 ひとり

今日も親父は夕食までには帰らず、オフクロと弟の三人でテーブルを囲んでいる。しかもそこには会話がほとんどなく、黙々と食べるかテレビのニュースに目を向けているかのどちらかである。

しかし、三人の視線が吸い寄せられるようにテレビに集まった。・・・そこで流れていたのは沢渡が出演しているCMだ。 Continue reading “11/10 (木) 20:00 ひとり”

11/9 (水) 21:30 面談

沢渡は、ファッション誌に載っているようなテクニックでスーツを着こなして、颯爽と登場した。・・・俺が言うのも何だけど、これがセレブなのか、といった感じ。

「今日の僕はただの立会人ですので、お気になさらないでください」

例のごとく沢渡はさらっと言い流したが、これも俺のためなのだと思うと嬉しい。 Continue reading “11/9 (水) 21:30 面談”

11/8 (火) 13:30 緊張との闘い

学食の反対側では、沢渡と深雪ちゃん、そして何故か朝霧までもが一緒になって楽しそうに食事をしているというのに、このテーブルの雰囲気は・・・どうしたものか。

美智は、俺のこともだけど自分の入試が迫ってきているのでナーバスになっている。俺の目から見ればその成績で落ちるはずなんてないが、いつも強気な美智でもナーバスになることがあるのだ、とそれはそれで貴重なひとときを噛みしめている。・・・しかし当の本人は、それに気づかれまいと必死だ。 Continue reading “11/8 (火) 13:30 緊張との闘い”

11/6 (日) 14:00 午後のひととき

今日はオフのようでオフでない、勉強日。調べておかなければならないことや、読んでおかなければならない資料が山積みなのに、眠気が襲ってきて困る。

とりあえず部屋にいるのがいけないのかと思って、執務室にやってきた。ここなら、気合いも入るだろう・・・と思いきや、すぐにピントが合わなくなってきて、頭がガクッと倒れ込む。

ああ、少し寝ようかな。でもあまり寝過ぎないように、そのまま机に伏せて目を閉じる。 Continue reading “11/6 (日) 14:00 午後のひととき”