学食に行ったら沢渡がいたので、美智を引っ張ってお邪魔しに行った。
「この間はありがとうな。・・・でもお前、カッコよすぎだろ、あれは」
「丁度その前に、KZと打ち合わせをしていたんですよ。そしてついでにコーディネートしてもらったわけです」 Continue reading “11/11 (金) 13:00 決戦前日”
小説の部屋
学食に行ったら沢渡がいたので、美智を引っ張ってお邪魔しに行った。
「この間はありがとうな。・・・でもお前、カッコよすぎだろ、あれは」
「丁度その前に、KZと打ち合わせをしていたんですよ。そしてついでにコーディネートしてもらったわけです」 Continue reading “11/11 (金) 13:00 決戦前日”
今日も親父は夕食までには帰らず、オフクロと弟の三人でテーブルを囲んでいる。しかもそこには会話がほとんどなく、黙々と食べるかテレビのニュースに目を向けているかのどちらかである。
しかし、三人の視線が吸い寄せられるようにテレビに集まった。・・・そこで流れていたのは沢渡が出演しているCMだ。 Continue reading “11/10 (木) 20:00 ひとり”
沢渡は、ファッション誌に載っているようなテクニックでスーツを着こなして、颯爽と登場した。・・・俺が言うのも何だけど、これがセレブなのか、といった感じ。
「今日の僕はただの立会人ですので、お気になさらないでください」
例のごとく沢渡はさらっと言い流したが、これも俺のためなのだと思うと嬉しい。 Continue reading “11/9 (水) 21:30 面談”
学食の反対側では、沢渡と深雪ちゃん、そして何故か朝霧までもが一緒になって楽しそうに食事をしているというのに、このテーブルの雰囲気は・・・どうしたものか。
美智は、俺のこともだけど自分の入試が迫ってきているのでナーバスになっている。俺の目から見ればその成績で落ちるはずなんてないが、いつも強気な美智でもナーバスになることがあるのだ、とそれはそれで貴重なひとときを噛みしめている。・・・しかし当の本人は、それに気づかれまいと必死だ。 Continue reading “11/8 (火) 13:30 緊張との闘い”
昨日最終オーディションに行ってきた。・・・まだ親父には話していない。
「でも、入賞したら世間に名前が出ることになるんでしょ?だから、結果が出る前にきちんと話しなさい」 Continue reading “11/7 (月) 23:30 電話でのやりとり”
今日はオフのようでオフでない、勉強日。調べておかなければならないことや、読んでおかなければならない資料が山積みなのに、眠気が襲ってきて困る。
とりあえず部屋にいるのがいけないのかと思って、執務室にやってきた。ここなら、気合いも入るだろう・・・と思いきや、すぐにピントが合わなくなってきて、頭がガクッと倒れ込む。
ああ、少し寝ようかな。でもあまり寝過ぎないように、そのまま机に伏せて目を閉じる。 Continue reading “11/6 (日) 14:00 午後のひととき”
折角の遠足だったのにあまり一緒の時間を楽しめなかったので、夕食に誘った。
「兼古先輩の演技がこれからも見れると嬉しいな~」
と深雪は楽しそうに話していたけど、学校以外じゃないとできない話もある。 Continue reading “11/5 (土) 19:30 事件の真相”
昼前に遊園地のゲートに到着すると、担任、兼古先輩、清水先輩、朝霧、深雪の他、多くの一般客が出迎えてくれた。
「じゃ、沢渡は出席ってことで。よし、遊びに行っていいぞ」
担任と別れてからまずしたことは、深雪に謝ること。 Continue reading “11/4 (金) 15:00 遠足”
明日の遠足は現地集合ながら参加できることになりホッとしていたら、清水先輩と兼古先輩からそれぞれメールが届いていた。先輩方とは今では学食でたまに顔を合わせるくらい。受験勉強が大変だろうから、あまり邪魔しないように・・・と思っていたのだけど、それどころではなかったみたいで。 Continue reading “11/3 (木) 23:30 2通のメール”
最近学校では、深雪とのランチタイムに朝霧が同席することが当たり前のようになった。朝霧が例の事件の後深雪のことをとても心配してくれるようになったこと、そして僕もまた朝霧の将来のことについて心配していること、朝霧はいざとなったら空気のように存在を消すことができることから、同席してくれるように僕のほうから頼んだのだった。 Continue reading “11/2 (水) 22:00 アイドル”