今日から合宿。衣装や大道具、小道具が揃ったので、通しリハーサルをし、セットチェンジなどをチェックするのがこの合宿の目的となっている。それにあたって、今までは清水先輩と見学していることが多かった沢渡くんが、セットの移動を手伝ったり、他の雑用をしたりと、完全に裏方の仕事をするようになったので、ますますもったいないと思ってしまう。 Continue reading “6/13 (土) 22:30 朗読会”
6/12 (金) 14:00 事件
それは休み時間に突然始まった。クラスの男子二人が、ケンカを始めたのだ。
「お前が余計なことをしたから、おかしくなったんじゃないか」
「何だよ、人の親切心をそんなに邪険にしなくても。だったらお前一人でできたのかよ」 Continue reading “6/12 (金) 14:00 事件”
6/11 (木) 12:30 裏表
「でも沢渡くんって、部活以外だと妙に話しかけにくいよね」
お昼休み、村野さんと沙紀、そして私の三人で学食に来ていた。クリウスにはいくつか学食があって、その一部は一般の人にも開放されている。料理はもちろん本格的なので、じっくり味わうためには、座席を予約するのがコツ。・・・でも今日は沢渡くんたちは、ここではなかったみたい。 Continue reading “6/11 (木) 12:30 裏表”
6/10 (水) 16:30 適役
部活では、地区予選が近づいてきたことで、徐々にピリピリとした雰囲気が漂い始めている。私は中学のときに演劇部に入っていて、その楽しさを知った。そして進学先を決めるに当たって・・・親が選んだこともあるけど、望月さんや兼古さんというカッコイイ人が在籍しているというのは都内の学校では有名だったので、クリウスを受験した。 Continue reading “6/10 (水) 16:30 適役”
6/9 (火) 14:30 私だけの彼には・・・
ビデオドラマの撮影のとき、私は夢のような気分だった。あの沢渡くんが、
「撮影中は、君のことを本当に好きになるから」
と言ってくれたのだ。私のことだけを見てくれる・・・。 Continue reading “6/9 (火) 14:30 私だけの彼には・・・”
6/8/(月) 14:00 彼の後ろ姿
クリウスに、人並み外れた美男子一人・・・。
入学式の日、教室に入ってきた彼を見た時から、私の心はざわめき立っている。細身の長身に、腰まである黒髪、涼しげな瞳。・・・こんな人が実在してもいいの?というくらい、まるで絵に描いたような王子さま。・・・カッコよすぎる。しかも彼は私と同じ演劇部志望で、たまたまオーディションとビデオドラマで共演することができた、まではよかったのだけど・・・。近づきそうで決して近づかない距離が、私たちの間にはある。 Continue reading “6/8/(月) 14:00 彼の後ろ姿”
6/7 (日) 0:20 男と女
6/6 (土) 19:30 選択肢
しかし、宮殿に向かう途中で、嬉しさよりも重苦しさのほうが増していった。・・・土曜日といえばもう一つ、結城との夕食会も恒例行事なのである。これを乗り切らなければ、有紗さんには会えない。 Continue reading “6/6 (土) 19:30 選択肢”
6/5 (金) 23:00 雨の夜
殿下からの後押しをいただいたからなのか、有紗さんの声が聞きたくてたまらなくなった。でもそれでは僕たちのルールを破ることになってしまう。会うのは週に一度だけ、メールはいいけど、電話はしないこと。 Continue reading “6/5 (金) 23:00 雨の夜”
6/4 (木) 23:20 相談
連れてきていただいたのは、首都の夜景を一望できる高層レストラン。
「こういうところに、よくいらっしゃるのですか?」
「人と会うことが僕の仕事なんだよ。それは必ずしも王宮の人とは限らない、となると、おのずといろいろなお店を覚えるというものだよ」 Continue reading “6/4 (木) 23:20 相談”