小説の部屋
先輩って、優しいんだか、冷たいんだか。
夏休みの間は絶対的に帰ってくる気はないらしく、ずっと外国で過ごしているのだそう。今年は彼氏が出来たということで一緒に花火を観に行けるかも？などという密かな楽しみはあっさりと打ち砕かれ、つまらない夏休みになってしまった。そのくせ、メールや電話はここ最近マメにしてくれるようになって、とりあえずその時は楽しい気分でいさせてくれる。･･･やっと、先輩のことが分かりかけてきたのになあ。 Continue reading “8/31 (月) 23:00 想い人･･･”
「ねえ、僕の神経は図太いのかな？」
彼女の部屋に行くと仕事がたまっているとのことだったので、僕はソファーに横になって本を読んでいた。 Continue reading “8/30 (日) 21:30 ワナ”
有紗さんという人は、僕にはつかみ所がなく難しい人に思える。でも沢渡くんと付き合っている理由は何となく分かる。 Continue reading “8/29 (土) 23:00 結婚観”
僕の部署の一人が、仕事を辞めたいと言ってきた。僕としたことがその気配に気づかなかったので、ショックが大きかった。
「もう決めてしまったことです」
彼はすでに吹っ切れた様子で、言い放った。取り付く島もない、というのはこのことだ。
とある食事会に、僕は出席することになった。今日のはさほど気を遣わなくていいので、僕としてもリラックスの場として活用させていただくことにする。
･･･大きな声では言えないが、女優として活躍している智加さんはとても美しい。女優としてのプロ意識が高く、また、自分の価値をよくご存知だ。 Continue reading “8/27 (木) 23:30 影響力”
沢渡くんは、部長からサファイアのピアスのことを聞かれたとき、“大事な人からの頂き物です”と答えたそうだ。ただそれだけ。王宮がどうだとかは関係ない。そしてその毅然とした態度が、部長を引き下がらせてしまったとのこと。そうそう、その調子。何も聞かせないというオーラが必要なのだ。 Continue reading “8/26 (水) 23:00 ストレス”
H-K Timeというのは政府の広報番組で、毎月最終日曜日に放送されている。もともとは短くて、本当に必要な情報だけを流していたのだけど、僕が司会を務めるようになってからは視聴率が伸びたので、町の催し物の模様をレポートしたり、国民の代表と話し合いをしたりと、いろいろな企画をするようになった。今月は、議会で可決された法案について解説をしたり、夏の風物詩を紹介したりすることになっている。そして折角なので、沢渡くんを収録に連れて行くことにした。彼にもいずれ出てもらうことになるだろうから。 Continue reading “8/25 (火) 16:00 アプローチ”
議会で忙しいのだけど、仕事は他にもある。皇太子として、外交官として、そして沢渡くんを始め後進の指導など。息つく間もなくそれらは押し寄せてくるけれど、それはそれ、僕の時間は僕だけのものだ。 Continue reading “8/24 (月) 23:00 一人”
約束通りに清水先輩のお宅に伺うと、兼古先輩と沙紀ちゃんがすでに来ていた。･･･沙紀ちゃんが一人で来ていたのには驚いた。上柳さんには話したのかな？僕的には来てくれなくてよかったと思う。 Continue reading “8/23 (日) 13:00 表情”
「私のことを忘れていたわけじゃないでしょうね」
会うなり言われたけれど、それは僕のほうのセリフだ。Blue Ribbon Dayのプレゼントは、どうなったんですか？でも、ここで催促したら男が廃る！？ Continue reading “8/22 (土) 23:00 プレゼント”