沢渡が指定したのが宮殿の外のレストランだったので、少し妙な気分だった。
「たまには外で会うのもいいじゃないか。実はこの後も用事があるので都合がいい、というのもあるんだけど」
「深雪ちゃんに会いに行くとか?」
すると、一瞬たじろいだ後、何でもかんでも深雪と結びつけるな、と怒られてしまったわけだけど。 Continue reading “10/26 (水) 19:30 相談”
小説の部屋
沢渡が指定したのが宮殿の外のレストランだったので、少し妙な気分だった。
「たまには外で会うのもいいじゃないか。実はこの後も用事があるので都合がいい、というのもあるんだけど」
「深雪ちゃんに会いに行くとか?」
すると、一瞬たじろいだ後、何でもかんでも深雪と結びつけるな、と怒られてしまったわけだけど。 Continue reading “10/26 (水) 19:30 相談”
今日は久し振りに、朝からずっと沢渡と一緒に学校にいる。でも沢渡の元には入れ替わり立ち替わり誰かがやって来るので、なかなか話ができない。僕はもともとそんなに口数が多いほうではないのだけど、僕の生活が変わったこともあっていろいろと相談したいことがある。でもなかなか彼がつかまらない、すると尚更話したくなる、とすっかり悪循環に陥ってしまっている・・・恋人でもあるまいに。・・・昼休みは深雪ちゃんと食事に行ってしまうし。 Continue reading “10/25 (火) 14:00 近くて遠い親友”
ヴァイオリンコンクールで優勝してから、僕の生活は大いに変わった。それをきっかけにテレビに出るようになったし、リサイタルも開くことができた。・・・やっと僕の念願が叶ったわけだ。 Continue reading “10/24 (月) 12:30 変化”
今日は沢渡くんの部屋でプチパーティーが行われる。僕たちの他、結城と沢渡くん、そして朝霧くんが集まるのだけど、ピアノがある部屋となると自ずとここになる。
「改めて、ご結婚おめでとうございます」
と、沢渡くんと朝霧くんが、僕たちにプレゼントをくれた。 Continue reading “10/23 (日) 21:30 プレゼント”
今日は出張先で一人の夜を過ごす。・・・が、その前に、
「今夜は眠れそうですか?」
舞とはさっき電話で話した。今日は取り立ててトラブルはなかったので眠れないことはないだろうけど、肉体的にあまり疲れていないので今のところは眠気を感じていない。 Continue reading “10/22 (土) 23:00 もう一人の家族”
「今日は妃殿下とご一緒ではないのですか?」
「新婚旅行が待ち遠しいですね」
と、どこに行ってもこのような声をかけられる。だから~、僕はいつも舞と一緒にいるわけではありませんし、年末年始の新婚旅行は言われなくても楽しみにしています、はい、とイチイチ内心で突っ込むのも疲れる。 Continue reading “10/21 (金) 22:30 甘い夜”
結婚して最初の出勤日。まずは朝一で、休んでいた間の報告を受ける。その順番は・・・学校があるから、沢渡くんに一番に来てもらった。
一通りの業務報告の後で、
「一応ご報告いたしますが、モーリス殿下に大変かわいがっていただきました」 Continue reading “10/20 (木) 14:00 同盟”
オフ最終日。今日ばかりは誰にも邪魔をされず、お互いのことだけを思いながらのんびりと時間を過ごすつもりだ。このところ行事が立て続けにあり忙しかったから、結婚したのだという実感がイマイチ湧いてこない。 Continue reading “10/19 (水) 16:30 二人の世界”
今日はクリウスの同級生たちとのパーティー。舞は薄い紫のドレスがよく似合っている。・・・けど、僕たちのために集まったというよりは、僕たちの結婚をきっかけにして集まった同窓会といった雰囲気だ。
「響くんと舞は一緒にいるのが当たり前だったから、今更結婚したところで驚かないよね」 Continue reading “10/18 (火) 22:00 変化”
新婚初夜は・・・、二人とも疲れていてすぐに寝てしまった。それでも目覚めると新しい部屋で、隣には彼女がいて、たくさんのお花に囲まれていたので、ほのかな幸せを噛み締めずにはいられなかった。
夜はお互いの家族や親戚たちを呼んだ披露宴が行われるのだけど、昼間はのんびりできる。だから二人きりで・・・と思っていたら、モーリスが一緒に食事をしたいと言ってきた。 Continue reading “10/17 (月) 13:00 見えない絆”