今日の部活では、台本の読み合わせが行われて、僕は清水先輩の隣で、その様子を見ている。
「そこは思い切り弾けて」
「そこはもう少しかわいく」 Continue reading “5/12 (火) 16:45 価値”
小説の部屋
今日の部活では、台本の読み合わせが行われて、僕は清水先輩の隣で、その様子を見ている。
「そこは思い切り弾けて」
「そこはもう少しかわいく」 Continue reading “5/12 (火) 16:45 価値”
「ゴメン、来週の晩餐会に出席させていただくことになったから、しばらく帰れなくなりそうなんだ」
夜。沢渡家のリビングにて。 Continue reading “5/11 (月) 22:30 夢見る乙女”
結局昨夜は、殿下、結城さんと沢渡の前で、30分ほど演奏することになった。僕としては沢渡の様子を伺うことよりも、まずは演奏に集中した。
「朝霧くん、よかったよ。・・・それにしても、君は何て楽しそうに弾くのだろう?きっといい演奏家になるよ」 Continue reading “5/10 (日) 0:30 月夜”
土曜日。沢渡は同じ宮殿の中にいるはずだけど、彼には仕事がある。・・・傷心のまま難題に取り組んでいるのだろうか?・・・物理的には近くにいるのに、今の僕には遠くに感じられる。 Continue reading “5/9 (土) 20:00 心配”
しかしまた不可解なことが起こった。コンクールに向けてのキャストが発表されたのだけど、僕には台詞付きの役が当たったのに、沢渡は裏方に回ることになったのだ。上柳さんももちろん台詞付きの役だ、なのに沢渡は何故?・・・部長からは、名前の発表があっただけで理由の説明はなかった。 Continue reading “5/8 (金) 17:30 かける言葉が見つからない”
その日のヴァイオリンの音色を聴くと、僕自身の体調や精神状態が分かる。
沢渡からのお願いのため昼間は学校に行かなければならないので、まずは朝、少々早起きをして楽器と身体のウォーミングアップをする。そして夕方、もしくは夜宮殿に帰ってきてからは、先生のレッスンを受け、終わってからも自分なりに復習する。 Continue reading “5/6 (水) 22:00 音色”
僕は小さい頃からヴァイオリンを習っていて、すでに小学生の時にはいくつもの賞を獲得していた。そんなときに王宮から招宮通知をいただき、そのまま入宮することになった。 Continue reading “5/5 (火) 22:30 友達”
沢渡は何やら仕事に借り出されたとかで遅刻して来た。でも部活には来れてよかった、ビデオ上映会が行われるのだから。 Continue reading “5/4 (月) 16:30 ビデオ上映会”
そもそも僕は有紗さんのことが好きなのだろうか?と一人ベッドの中で考えてみる。一応今では秘密の恋人ということになっているらしいが、もともとは有紗さんからのアプローチによるもので、僕としては拒む理由がなかったからこうなっただけだ。かと言って、この気持ちは、好き、なのか? Continue reading “5/3 (日) 1:50 好きという気持ち”