11/11 (水) 17:30 初心貫徹

沢渡くんがいないと、学校がつまらない・・・。自分でもこれほど凹むとは思わなかったので、やっぱり沢渡くんのことが好きなのかな?と思う。

「まゆ・・・分かりやす過ぎるよ。授業中、沢渡くんの席を見てるでしょ」

え~、そうかな?

「沢渡くん、どうしてるのかな?・・・だって、二週間ってことはPink Ribbon Dayのときも休みってことでしょ。・・・本当は大事な人と旅行してるんじゃないかな?とか思ったら、たまらなくなるわ」 Continue reading “11/11 (水) 17:30 初心貫徹”

11/10 (火) 23:00 愛情の深さ

「沢渡くん、なかなかいい感じだね」

と嬉しそうに響が微笑んでいる。・・・そうだな、出だしは好調だ。

「でも誉めるのはまだ早いぞ。今がよくても、きちんと結果を出せないことには、何の意味もない」

「それはもちろん分かっているけど、・・・いいじゃない、感想くらい言わせてくれても。仕事に追い立てられているときだからこそ、気持ちにゆとりがほしいんだよ」 Continue reading “11/10 (火) 23:00 愛情の深さ”

11/9 (月) 15:30 仕官の務め

今日から僕は、宮殿でカンヅメ生活を送ることを余儀なくされる。しかし閣僚や専門家と一緒に予算案を作れるなんて、これほど光栄なことはない。やっと僕の活躍の場が訪れたのだ。存分に楽しませていただこうと思う。

陛下が僕のことを紹介してくださった、が、年齢の話はなし。そしてまた、僕のことを口外しないようにとの話があった。これで僕は、学生ではなく、一人の社会人として見てもらえる・・・。 Continue reading “11/9 (月) 15:30 仕官の務め”

11/8 (日) 22:00 用件

明日から僕は二週間学校を休む。この間から話しかけようとしてくれていたことが気になって、上柳さんに電話をかけてみた。

「このところ忙しくてごめんね、何か用があった?」

うん・・・、と言葉を濁す彼女。だったら声をかけるのにも勇気が要ったはずだから、悪いことしたかな?

“もう身体は大丈夫?・・・沢渡くんってケンカは強いはずだから、あんなことになるとは思わなくて” Continue reading “11/8 (日) 22:00 用件”

11/7 (土) 18:00 アイデンティティー

僕は嬉しくて、早速結城にその写真を見てもらった。

「確かによく撮れてるな。撮ってもらっている時の気分はどうだった?」

「途中からどんどん気持ちよくなっちゃって、まるで別人になれたみたいだった。・・・それを鷲塚さんに言わせると、本来の僕なんだってことになるらしいんだけど」

はは~ん、と、結城は何やら一人で納得していた。 Continue reading “11/7 (土) 18:00 アイデンティティー”

11/5 (木) 14:00 周囲からの視線

昨日、上柳さんはあの現場の近くにいたらしく、すぐに駆けつけて泣いてくれた。

「別に上柳さんのせいじゃないから、気にしないで」

一応はにこやかにそう言っておいたけれど、実際身体は痛く、また、精神的ショックも大きかった。

「何やってんだ、お前は」 Continue reading “11/5 (木) 14:00 周囲からの視線”

11/4 (水) 18:00 遭遇

部活が終わり朝霧と玄関に向かおうとしたら、園田先輩とバッタリ会った。・・・いや一人ではなかった。女の子が一緒にいた。・・・一年生だ。

一応相手が先輩なので会釈をして去っていこうとすると、その女の子が僕に対してバイバイと手を振った。・・・本人的には無意識にやったことだと思う。でも先輩には面白くなかったらしい。

「沢渡」 Continue reading “11/4 (水) 18:00 遭遇”