それでも沢渡は、部活の後深雪ちゃんを連れ出して二人だけの時間を過ごしたようだった。そしてその後の深雪ちゃんは多少落ち着いたように・・・見えただけなのか、どうなのか。
などと部活の心配はつきないのだけど、俺たちはれっきとした受験生だ。・・・俺の将来は一体どうなるのか、一応は親に言われて法学部を受験先リストに挙げてはいるが、実際問題として、俺の今の学力ではとてもではないが合格することなどできないだろう。 Continue reading “8/25 (木) 18:00 スカウト”
小説の部屋
それでも沢渡は、部活の後深雪ちゃんを連れ出して二人だけの時間を過ごしたようだった。そしてその後の深雪ちゃんは多少落ち着いたように・・・見えただけなのか、どうなのか。
などと部活の心配はつきないのだけど、俺たちはれっきとした受験生だ。・・・俺の将来は一体どうなるのか、一応は親に言われて法学部を受験先リストに挙げてはいるが、実際問題として、俺の今の学力ではとてもではないが合格することなどできないだろう。 Continue reading “8/25 (木) 18:00 スカウト”
沢渡に、何時でもいいから連絡をくれるようにとメールを書いておいたら、夜中にかかってきた。
“すみません、本当に忙しくて。でも来月になったら、もっと忙しくなるかもしれないんですよ。ちゃんと部活に行けるか心配です”
だったら余計に、今月中に詰めておいたほうがいいよな。 Continue reading “8/24 (水) 1:00 忠告”
沢渡は仕事が忙しいようで、午前中の数時間しか部活に来られない。だから、深雪ちゃんがヒロインを演じることになったことについて、ほとんど話せていない。・・・きっと嬉しいに違いないのだけど、二人は私情を挟まず演技に集中していて、しかも沢渡は時間が来たらさっさと帰ってしまったので、まだ放心状態でいる深雪ちゃんを落ち着かせるのは、役通り俺しかいなくなってしまっている。 Continue reading “8/23 (火) 12:30 本気と演技の狭間で”
実は演劇部の練習に頭を悩ませている。・・・どうもヒロインがしっくり来ない。
折角、沢渡が忙しい中時間を割いて部活に来てくれて、いい演技を見せてくれているというのに、それに張り合えるだけの力が彼女にはない。それは最初だけだろうと思っていたのだけど、美智の表情もずっと冴えないままだ。
「ちょっと止めて」
今日もたまらず、美智がストップをかけた。 Continue reading “8/22 (月) 10:30 悪魔降臨”
やはりこういうときに目聡いのは結城で、
「な~んでお前は、深雪ちゃんに会うといつもボロボロになるんだ?」
いきなり聞いてくるから、答えないわけにはいかなくなる。 Continue reading “8/21 (日) 23:00 テスト”
初デートのときに来たプライベートビーチに、また二人で来ていた。
「凄い!花火を独り占めできますね!」
「二人占めの間違いだろ」
深雪を小突くと、彼女も笑って僕の腕にしがみついてくる。 Continue reading “8/20 (土) 21:00 HANABI”
「深雪ちゃんのお父さんに、挨拶に行くんだって?」
忙しいのに、随分と楽しそうに結城は僕の部屋までやってきた。
「そうだけど、何?」
「俺もついて行ってやろうか?あの社長、頑固なことで有名らしいからな」 Continue reading “8/19 (金) 22:30 ゴキゲンな理由”
“希さん、ホントに怖いですよ。みんな、私じゃなくてよかったって言ってます”
・・・。
「失望させること言わないで。部長からは泣かせるくらい怖くって言われているのに、まだ実現できていないし・・・何かが足りないんだよ」
“もう十分です。私だったら絶対泣いてますよ” Continue reading “8/18 (木) 22:30 私の天使”
どんな悪魔にしようかあれこれ考えてみたら、アイディアが生まれすぎて絞れなくなったので、とりあえず部長に聞いてもらうことにした。 Continue reading “8/17 (水) 11:30 悪魔”
大喜びしたのは仲野さんで・・・、
「女の子がクラクラするような、美しい悪魔に変身させていただきます!」
と、メイク中にもいろいろなアイディアを出してきてくれたのだけど、今日の仕事も大事なんですよ!僕が表舞台に出るにあたって、名刺代わりとなる写真を撮影してもらうのだ。 Continue reading “8/16 (火) 20:00 写真撮影”