高校生の女の子二人
「沢渡さんって、凄くカッコよくない?」
「カッコイイよね。これから議会中継とか見るかも~」 Continue reading “9/3 (土) 15:00 インタビュー”
小説の部屋
16歳の沢渡氏、財務長官に就任
宮殿にて、江口国王陛下から、沢渡希氏を財務長官、同時に次期皇太子に任命する旨が発表された。沢渡氏は現在、クリウス学園高等学校に通う高校2年生。陛下自ら選抜され幼稚園卒園と共に入宮、英才教育を受けつつ実務にも携わってきた。この春からは本格的に財務長官の引き継ぎ作業にかかり、王宮主催の行事にも参加してきたという。家族は、両親、兄の4人、趣味はピアノ。学校では演劇部に所属し、全国大会で優勝した。 Continue reading “9/2 (金) 5:00 毎朝新聞朝刊記事”
2学期の始業式。
朝霧先輩が特別に1曲披露してくれたことにも感激したけど、このあといよいよか、と思うと、息もできないくらいにドキドキしてきた。
「今日はみなさんにお知らせがありますので、しばらく待機していてください」
先生が話すと、ステージの上ではスクリーンが下ろされたり、マイクスタンドの位置が変えられたりと準備が行われ、講堂にいる生徒たちは何事かとざわめき立っている。・・・間もなく会見が始まる時間。希さんはどんな顔で登場するのかな? Continue reading “9/1 (木) 11:30 財務長官就任”
8.01(月) 1:30 裸の心
8.02(火) 23:00 ツボの違い
8.03(水) 23:00 妥協点
8.04(木) 16:00 移動の車中にて
8.05(金) 21:30 魂胆
8.06(土) 22:00 白い炎
8.07(日) 8:30 会いたい気持ち
8.08(月) 23:30 理性と感情
8.09(火) 23:00 緊張の一瞬
8.10(水) 23:30 心の準備
8.11 (木) 23:30 宮殿にて
8.12(金) 6:30 初仕事
8.13(土) 22:00 私だけの存在
8.14(日) 16:00 二人きりの部屋で
8.15(月) 10:30 新しい台本
8.16(火) 20:00 写真撮影
8.17(水) 11:30 悪魔
8.18(木) 22:30 私の天使
8.19(金) 22:30 ゴキゲンな理由
8.20(土) 21:00 HANABI
8.21(日) 23:00 テスト
8.22(月) 10:30 悪魔降臨
8.23(火) 12:30 本気と演技の狭間で
8.24(水) 1:00 忠告
8.25(木) 18:00 スカウト
8.26(金) 15:00 客観的意見を求めて
8.27(土) 13:00 口実
8.28(日) 16:00 ある出版社にて
去り際に加藤が言った。
「明日からは長官と呼ばせていただきます。今日は早めにお休みくだ・・・」
「ちょっと待って!別に変えなくてもいいから」
加藤が不思議そうな顔をして首を傾げる。 Continue reading “8/31 (水) 23:00 静かなる興奮”
財務長官就任を前に、やっておきたいことがあった。
「街を歩きたいんだ・・・地下鉄の乗り方を教えてくれない?」
これからは国内外の人に顔を知られる存在になるだろう、となると、街を歩くことが難しくなる。しかももともと車移動が多かったから、地下鉄の乗り方はほとんど分からない。・・・国民の代表がこのままでいいはずがない。 Continue reading “8/30 (火) 22:00 アドバイス”
1日に開く記者会見の打ち合わせに来られていた結城さんが帰られた後も、何となく部屋に戻る気がしなくてリビングにとどまり続けていた。・・・希が財務長官になる。まだ16歳なのに。 Continue reading “8/29 (月) 23:00 内情”
「それじゃあ、9/1はクリウスでの取材を頼むよ」
今旬な高校生と言えば、クリウスの朝霧智史くんだ。先日のヴァイオリンコンクールで優勝して以来いろいろな媒体に出ているため、女子高校生をターゲットとした我が社の雑誌でも扱わないわけがない。しかし、首都圏のコアな読者からのリクエストはやや異なっている。
“朝霧さんの友人の、沢渡さんを取材してください” Continue reading “8/28 (日) 16:00 ある出版社にて”
「悪魔には激しいヴァイオリンが合うと思うんですよね」
そんな沢渡の一言から、今や時の人となった朝霧が久々に部室にやってきた。当の沢渡は相変わらずすぐに帰ってしまったが、朝霧は時間があるということだったので、美智、村野さんと学食で昼食を取ることになった。 Continue reading “8/27 (土) 13:00 口実”
加藤さんは、沢渡が素性を明かした後は、部室で見学することが多くなった。同じ待つのなら見学したらどうか、と勧めてみたら、快諾してくださったのだった。しかし不思議なのは、体つきががっしりしているのに、空気のように辺りに溶け込んでしまっていること。さりげなく沢渡をフォローしながらも、必要以上のことはしない・・・気づけば、沢渡のそばに加藤さんがいることが当たり前のようになっている。 Continue reading “8/26 (金) 15:00 客観的意見を求めて”